マラソンで印象的なシーンといえば、走る選手たちが途中で給水ポイントで手早くドリンクを受け取って走る所ですよね。
あの給水ポイントのことを、エイド・ステーションというのですが、いまでこそあのようなカウンターのようなものにドリンクがおかれていて、選手がおのおの取り、水分を補給するシステムですが、かつては監督やコーチが手渡しすることが常識だったのです。
今回は、そんな選手たちの命綱、マラソンの給水ポイントについてのスポネタです!!
日本では1962年まで監督やコーチが手渡しをしていた
自動券売機も、オートマティック車も開発されていた1962年ですが、当時でも日本ではマラソンの給水ポイントは監督やコーチが手渡ししていました。
それが現在とおなじエイドステーション式に変わったのは1963年のことです。
そのワケはそう、翌年である1964年に開催される東京五輪のためです。遅ればせながら日本も世界基準のシステムであるエイドステーション式を導入したのでした。
給水ポイントは何キロごとにある?
マラソンでは、あらかじめ定められた場所に、『給水ポイント』が設けられています。
国際陸連の規則では5キロごとに給水ポイントを置くことができるという決まりがあり、ほとんどの大会ではルールごとに5キロごとに設置されています。
しかし、最近は地球温暖化も手伝ってか、猛暑のらなかで走っていては5キロごとでは給水が足りない場合もあります。
その場合は5キロごとでなくてもオーケーというルールになっています。
しかし、やみくもに置いてしまっても逆に選手の身体に負担をかけてしまうので、その場所の地形や距離に応じて、専門家によって調整された場所に給水ポイントが作られていくのです。
給水ポイントは、食べ物をおいてもオーケー
給水ポイントには、英語で言う『リフレッシュメント』を置いてもいいというルールがあります。その『リフレッシュメント』とは、軽い飲食物のこと。
つまり『飲み物(ドリンク)』に限らず、『食べ物』を置いてもかまわないのです。
しかしスピードを保って走りながら何かを食べるのは競技上ではあまり現実的ではありませんよね。実際に置かれるのはほぼドリンクのみとのことです。
一度食べ物が置かれた例として、『東京マラソン2007』では大会主催者側が大量に食べ物を用意しました。参加者3万1440人に対して、バナナ4万2千本あんぱん1万2000個、人形焼6000個、などなど…!
思わず給水ポイントが楽しみになりそうですね。
ランナー同士でドリンクを受け渡すと失格!?
給水ポイントのドリンクを取り損なったランナーに、ライバルであるはずのランナーが自分の飲んだドリンクの残りを手渡すシーン。
スポーツマンシップにのっとった立派な行動なのですが、国際陸連の『競技者はレース中、いかなる方法によっても他人の助力を受けてはならない』というルールの違反行為になってしまう場合もあるようです。
レースの途中で倒れ、誰かに起こされたりした場合はその後走ることができても失格となってしまう、厳しいルールです。
しかし実際には大会の審判員に任されているので、即失格という例はあまりありませんが、非常にシビアな判断を要求されるシーンです。
実は最大の見所とも言われている!?給水ポイント
日本女子マラソンの先駆者でもある増田明美選手いわく、マラソンで最大の見所は『給水ポイント』らしいのです。
そこでは数々の人間ドラマが生まれるそうで、
給水ポイントで、ライバルの選手に給水ポットを手渡す選手、はたまたひじをはって抜かれまいとする選手…その選手のキャラクター、人間性をも反映するシーンが沢山見られるとのことです。
みなさんも今後、マラソン中継で見過ごしがちな給水ポイント、ぜひ今一度じっくりご覧になってみてくださいね!!