生まれつき身体の柔らかい体質、“二重関節”を持つ人たち

体操
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皆さんは二重関節という言葉をお聞きになったことがありますか?この二重関節というのはいったい何のことなのでしょうか?

新体操バレエなどをしていた方は、この言葉をご存じかもしれません。二重関節とは、体操やダンス界での選ばれし素質なのです。世界の新体操のトップ選手などはこの二重関節をもっている方が多いと言われています。

さて、その二重関節とはいったい何のことなのでしょうか?どのようなメリットがあるでしょうか?

今回はそんな二重関節についてご紹介します!!

二重関節って、何?

二重関節

二重関節とは、通常の人の関節の可動域より、先天的にその限界を超えて可動域が広い関節のことを言います。

生まれつきの関節の状態なので、柔軟体操などの特別なトレーニングを積まなくても何の苦痛も伴わずに、普通の動きとして股関節が180度開いたり、さらに通常の人が実現不可能に近い困難なポーズなども出来てしまう驚異の体質です。

新体操や中国雑技団や、サーカスなどではこの体質を持っていることが絶対条件である場合もあるのです。また、フィギュアスケートやバレエなどでもこの体質を持つ人は圧倒的に有利と言われています。

およそ20人に1人が二重関節をもっている

二重関節は約20人に一人が持っているといわれています。

およそクラスに一人はいる計算ですが、みなさんの学校にも親指が手の甲にくっつく人や、180度開脚が簡単にできてしまう(何の痛みもない)人はいませんでしたか?それもれっきとした二重関節の持ち主なのです。

しかしながら、体操選手やバレリーナを志す人たちが二重関節かどうかは、20人に一人よりさらに低い確率であると言えるでしょう。

もしかしたら、なかには自分が二重関節ということを知らない人もいるかもしれません。

二重関節のメリット

二重関節のメリットは、人より可動域が広い関節を生かして体操やバレエなどの際に常人では実現不可能なレベルの高い演技を行うことができるということです。

また、通常では習得するのに非常に苦痛を伴う柔軟的なポーズも、生まれた時からいとも簡単にできてしまうため、その成功体験から自信を持ちやすくメンタルの面でも非常に大きなアドバンテージを得られるとも言われています。

周囲からはこの競技・演技をするために生まれてきた逸材ともてはやされ、カリスマ的な魅力を持つことができるかもしれません。

二重関節のデメリット

二重関節のデメリット

しかし、二重関節にもメリットばかりでなく、もちろんデメリットも存在します。

それは怪我のしやすさです。

二重関節のメカニズムは、骨や靭帯の形状の違いであると言われています。医学的には関節過度可動性という症状であり、生まれつき常人より骨のソケット部分が浅かったりすることから簡単に腕や足が曲がるのです。

そのため、非常に脱臼しやすいなどの特徴があり、また過度に動くわけですから疲労しやすいという特徴もあります。

二重関節を持つ選手たちはその特徴をしっかりと把握し、ケガや故障に人一倍気をつけなくてはなりません。

二重関節がなくてもトップ選手にはなれる?

現在の新体操選手やバレリーナには、この生まれつきの二重関節を持つ方が沢山居ます。最

も有名なのが元体操選手メダル候補でありバレリーナのシルヴィ・ギエム

彼女の登場で二重関節という言葉が広まったと言われています。とくに膝や股関節の可動域が広く、医学的には亜脱臼(脱臼一歩手前のような状態)であるともいわれているほどです。

しかしながらこの二重関節を持っていなければ、新体操やバレエの世界で頂点に上り詰めることは難しいのでしょうか…?

バレエは表現性のある芸術であり、競技的な採点はされませんが、新体操はれっきとした採点競技。そのうえ柔軟性は女子新体操でもメダルの鍵をにぎるとても重要なポイントです。

二重関節をもっていれば圧倒的に有利なのは間違いありません。

しかし、柔軟性だけでは新体操は満点は取れませんから、表現力、美しさ、正確さなど(とくに正確さにおいては、安定した可動域を保つ二重関節ではない人の方が有利と言われています)で挽回してゆけば、二重関節を持つ人の技巧に引けを取らない点数を叩き出すことが可能だと思われます。

およそ20人に1人という選ばれしものがもつ特異体質である二重関節。皆さんも一度、自分の身体の関節のどこかに潜んでいるかもしれませんので、一度周りの方と比較して試しにストレッチしてみてくださいね。

もしかしたら、あなたも20人の中の1人、かもしれませんよ。

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