世界の競技人口でトップ5に入るといわれるほど人気スポーツのバレーボール。この球技がもとになって生まれたスポーツが、そう、砂浜で行われるビーチバレーです。
名前に同じ「バレー」とついていますが、パッと思い浮かべただけで「いろいろ違いがありそうだ」となんとなく想像できると思います。では、具体的には何が違うのでしょう?屋内、ビーチ?人数?
実はそれ以外にも使う道具やルールにさまざまな違いがあります。
この記事では、そんなバレーボールとビーチバレーの違いを掘り下げてご紹介します!
バレーボールとビーチバレーの起源
バレーボールとビーチバレーは、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか!?
バレーボールは老若男女が楽しめるスポーツとして誕生
バレーボールは1895年にアメリカのマサチューセッツ州で誕生しました。体育教師をしていたウィリアム・G・モーガン氏が、テニスやバドミントンと同様に老若男女が気軽に楽しめるスポーツとして考案したのがバレーボールです。
空中のボールを地面に落ちる前に打ち返すボレーが競技名の由来だといわれており、テニスやバドミントンのようにネットをはさんでボールを地面に落とさず打ち返す競技として広まるようになりました。
ビーチバレーは海岸でバレーボールをしたことがはじまり
ビーチバレーはバレーボールから派生した競技で、1996年のアトランタ五輪から正式種目として採用されています。ビーチバレーのはじまりは1920年代ごろ、ハワイの住人が海岸でバレーボールを楽しむようになったことがきっかけだといわれています。当時はバレーボールと同じ人数で行われていましたが、「2人対2人で試合をすれば、皆がスパイクを打てるのでは」というアイデアから2人制ビーチバレーが誕生し、現在にいたります。
コートや道具の違いについて
バレーボールのコートは9m×18mで、コート内にはセンターラインとアタックラインがあります。アタックラインはセンターラインから3m離れた場所にあり、後衛の選手はアタックラインを越えて攻撃をしてはいけないルールがあります。
一方ビーチバレーのコートは8m×16mとやや小さめで、センターラインやアタックラインは存在しません。そのため、コート内を自由に使って攻撃ができるのです。ネットの高さはどちらも同じ高さで、男子は2m43cmで女子は2m24cmと決められています。
使用するボールにも違いがあります。バレーボールで使われるボールに比べて、ビーチバレーのボールは白やピンク、黄色など色鮮やかなものになっています。太陽の光がまぶしくてもボールが目立つように明るい色を中心に使っているのです。
材質はバレーボールで使うボールと同じですが、内気圧が30%低くやわらかめになっています。
ルールの違い
バレーボールとビーチバレーでは、競技を行う環境や人数の違いから異なるルールが適用されています。
バレーボールの試合でよく見かけるあのプレーが、ビーチバレーでは反則になってしまうことも。
それぞれのルールを比較しながら違いをみていきましょう。
試合人数について
バレーボールは6人制で試合中にローテーションがあり、選手の入れ替えも可能です。一方ビーチバレーは2人制で、バレーボールのようなローテーションはありません。
また、ビーチバレーには控えの選手がいないため、選手が怪我をした場合に選手交代ができません。5分間の治療時間が与えられるだけで、復帰できない場合は負け扱いとなり試合終了になります。
勝敗の決め方について
バレーボールは25点先取したチームがそのセットの勝者となります。1試合5セットマッチで、先に3セットを奪ったチームが試合の勝者です。セットカウント2対2で第5セットに臨む場合は、15点先取で勝利となります。
ビーチバレーは1試合3セットマッチで、先に2セットを奪ったチームが試合の勝者となります。1セット目と2セット目は21点先取、3セット目は15点先取です。
ブロックタッチの扱いについて
バレーボールでは、相手のスパイクをブロックした際のタッチはカウントされません。「ブロック・拾う・トス・アタック」のように、ブロックして自陣に入ったボールはさらに3回タッチできるルールになっています。
一方ビーチバレーでは、ブロックした際のタッチもカウントされてしまうため、「ブロック・拾う・アタック」のように相手コートへボールを渡さなければならないのです。
コートチェンジについて
バレーボールはセット終了ごとにコートをチェンジしますが、ビーチバレーでは両チームの点数の合計が7の倍数になったらコートチェンジとなります。ビーチバレーは屋外で行われるため、太陽光や風向きなどの自然環境がプレーに大きく影響することから、公平に試合を進めるためにコートチェンジが頻繁に行われるのです。3セット目はさらに間隔が短くなり、5の倍数でコートチェンジを行います。
ビーチバレーではオーバーハンドパスを使わない?
バレーボールの試合を観戦していると、頭の上で両手を使ってボールを上げる「オーバーハンドパス」を見ることが多いです。ところがビーチバレーで「オーバーハンドパス」を使うと、1人で2回ボールに触れる「ダブルコンタクト」という反則を取られやすいため、基本的には使用しません。
バレーボールとビーチバレーの違いまとめ
バレーボールとビーチバレーでは、コートの大きさやボールの仕様、細かいルールなどさまざまな違いがあります。
ビーチバレーは少ない人数で不安定な砂浜を縦横無尽に動き回るため、バレーボールと比べて1人あたりの運動量が多いのも特徴です。輝く太陽のもとで繰り広げられる熱い勝負を楽しみましょう!