フィギュアスケートの得点の付け方を解説!転んでも点数が高いのはなぜ?

テレビでフィギュアスケートの中継を見ていて、ふと思ったことはありませんか?

「あれ?今の選手、ノーミスで滑ったのにどうして順位がこんなに下なんだ?」
「えっ、いまの選手、あんなに派手に転んだのに、点数トップなの?」

その疑問の鍵はフィギュアスケートの採点方法にあります。
今回はその一見複雑なルールを紐解いてみましょう!!

採点項目が2つに分かれている

まず、フィギュアスケートのルールを知るときに最も重要なのは、その採点項目です。

フィギュアスケートには大きく二つに分けて

トータルエレメンツスコア(技術点)
プログラムコンポーネンツスコア(演技構成点)

の採点項目があり、この二つの合計点が、フィギュアスケートの点数になります。

トータルエレメンツスコア(技術点)

実況などではTESと略されることもあるののトータルエレメンツスコア。これは各技の完成度や難易度に応じて付けられるものです。 演技中のジャンプ、スピン、スパイラル、ステップなどの技一つ一つにそれぞれ点数がつけられ、その合計がTESになります。難易度の高い技を多く入れた場合、途中で転んだとしてもこのTESが大きく伸びます。どんなにノーミスで美しく滑ったとしても、技自体の難易度が全体的に低い場合は、このTESが伸び悩んでしまいます。

プログラムコンポーネンツスコア(演技構成点)

実況などではPCSと略されることもあるプログラムコンポーネンツスコアは、その演技全体の出来栄えに付けられる点数です。

これにも項目があり、

スケーティング技術
技のつなぎのなめらかさ
演技、表現力
振り付け
音楽の解釈力

など五つを採点されます。このことから演技構成点をファイブコンポーネンツとも呼び、これらをジャッジ全員で合計10点満点で評価していくのです。演技構成点は、途中で転んだ場合減点対象になってしまうので、難易度の低いプログラムを組んでいる選手にとっては命取りとなりやすくなってしまいます。演技構成点の高い選手の演技はつなぎが美しく、安定した滑りになる傾向があります。

しかし演技構成点は、ジャッジメントの裁量によるところも大きく、実力、表現とともに選手が拮抗した場合は非常にシビアな評価を要求される事になります。表彰台争いの局面に立ち会った時に、運命を決めるのはこの演技構成点であるシーンが多いのです。

高難易度の技にチャレンジする選手は、点数がやはり高い

いくら技術点が高くなるとはいえ、高難易度の技にチャレンジして失敗した場合、演技構成点に影響が出てしまいます。

そのため高難易度の技(特にジャンプ)をプログラムに入れた場合はそれを失敗してもある程度の高得点が得られるように、プログラム全体の難易度を高くせざるを得ず、つまりそれだけ、選手にはより高いスキルと体力が要求されます。
大きく転んでも上位に乗る傾向にある選手に共通していることは、やはり技自体が高難易度のもので占められていて、技術点がとても高いということです。そして反面、ノーミスでもスコアが伸び悩む選手は、前者の選手と比べて安定した成功率で出せる技でプログラムを構成してる人が比較的多いというわけですね。

めまぐるしく変わるルール

かつてのフィギュアスケートは、演技構成点をより重視したスポーツでありましたが、それゆえに不透明な採点が疑われるシーンが少なくなく、一時はスポーツ競技ではない、という批判もありました。
その批判もあってか、オリンピックを迎えるたびにそのルールはめまぐるしく変わり、エッジ(ジャンプの踏み切り、着地)エラーの判定の厳格化、回転数の厳格化など、技術面でのルールが非常に細かいものになってきていて、競技らしいルールへと年々変貌しています。

それに合わせて選手も、度々変わるルールに合わせトレーニングをしています。
非常にフレキシブルな対応が求められるので、かつてのスターの点数が、伸び悩むのはなぜだろう…?という時に、ルール変更が大きな原因だった、というのも珍しくないほどなのです。

美しく、厳しいフィギュアスケートの世界

高難易度の技を、美しくなめらかに、音楽に合わせて決めていくフィギュアスケート。
スポーツ競技ではありますが、やはり芸術的な表現力も求められる部分がとても大きく、それが大きな魅力でもあり、そして個性です。

「おっ、この選手、転んだけどやっぱり技術点は高いなぁ」
「すごくいい演技だったのに、どうしてこんなPCSなの?」

この記事を読んだあなたが、こんな風にフィギュアスケートをご覧になった時に呟いてくれたなら、何よりです。