アーチェリーはレジャー施設でも体験コーナーが設けられるほど人気のスポーツですが、競技の流れについては知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では五輪種目でもあるアーチェリーを紹介するとともに、弓道との違いについても解説します!
アーチェリーはどんな競技?
アーチェリーは弓で矢を放ち、的に刺さった矢の位置で得点を競う競技です。体力や技術はもちろん、平常心を保って正確に矢を放てるかどうかで勝敗が決まります。
少しでも雑念が生まれてしまうと集中を欠き、ミスにつながってしまうので、トップ選手たちは集中力を高めて渾身の一矢を放ちます。
アーチェリーの起源とは
アーチェリーのはじまりは、紀元前2万年前の旧石器時代までさかのぼります。元々は狩猟のために用いた道具であり、人々は食糧を確保するために弓矢を使用して狩りを行っていました。
時が流れ、戦争の時代には中長距離用の道具として発達しました。しかし16世紀ごろ、弓矢よりもはるかに攻撃力と機動力が高い鉄砲が開発されたことで立場を失ってしまい、徐々に使われることがなくなってしまいました。
鉄砲が登場したのと同時期に、イギリス国王であるヘンリー8世が御前試合を開催しました。そこで行われたのが、競技としてのアーチェリーだったのです。この試合をきっかけに、徐々にアーチェリー競技が広まっていったといわれています。
五輪競技として採用されたのは1900年のパリ大会からで、1924年のパリ大会から1972年のミュンヘン大会の間は競技から外されていましたが、正式に競技として復活し今日に至ります。
アーチェリーは3種目ある
アーチェリーの種目には3種類あり、競技を行う場所などで分けられます。
①フィールドアーチェリー
フィールドアーチェリーは、森や林の中に設置された的に矢を放つ競技です。自然を利用した高低差のある環境で行うため、まっすぐに矢を放つだけでなくさまざまなテクニックが必要となります。
この種目は4人1チームで行い、全部で24個ある的のうち3射の合計得点で競います。的までの距離は短いもので5m、遠いもので60m程度あります。
ルールがシンプルなので、初心者でも楽しめる種目です。
②インドアアーチェリー
インドアアーチェリーは、体育館などの屋内で行われます。
的までの距離は18mで、制限時間2分以内に3射ずつ矢を放つラウンドを10回繰り返し、合計60射の合計得点で競います。的の中心部分は直径4cmで、ここに当たると10点となります。
的までの距離がとても近いのが特徴ですが、的の大きさが小さいことからわずかなブレでも大きな得点差となってしまうのです。
③ターゲットアーチェリー
ターゲットアーチェリーは、五輪種目として採用されている種目です。
的までの距離は60m〜90mで、的の直径は122cmです。中心部分の点数は10点で、円の外側に向かうにつれて点数が小さくなり、1点のエリアよりも外側は0点となります。
五輪競技としてのアーチェリー
五輪でのアーチェリーは、予選である「ランキングラウンド」、個人戦である「オリンピックラウンド」、団体戦である「チームラウンド」が行われます。
競技の流れは、まず「ランキングラウンド」でそれぞれの選手が72射行った点数で順位を決めた後に「オリンピックラウンド」に臨みます。トーナメント形式で進んでいき、1位対64位、2位対63位といったように対戦を行います。
1セットあたり3射矢を放ち、制限時間は20秒。最大5セット競い合った後に各セットで得点が高い選手が2ポイント、同点の場合は双方の選手に1ポイントずつ付与され、先に6セットポイントを先取した方が勝利となります。
「チームラウンド」では、チーム3名の「ランキングラウンド」の合計得点で順位を決めた後に対戦を行います。1セットの制限時間120秒の間に、1チーム6射(各選手2射×3名)行います。これを最大4セット行い、獲得点数で競います。
アーチェリーのルールや豆知識まとめ
アーチェリーは体力や技術はもちろん、矢を射る際の集中力が勝利のカギとなる競技です。先攻の選手は、いかに高得点を出して相手選手にプレッシャーを与えられるか。後攻の選手は、プレッシャーに負けることなく先攻選手を上回ることができるのか。観戦している方も手に汗握る、少しの雑念も許されない緊迫した試合が繰り広げられます。
東京五輪でも注目の競技ですので、ぜひ観戦してみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!