サーフィンは海のアクティビティとして人気が高く、湘南や九十九里浜などのサーフィンスポットには多くのサーファーが波乗りに訪れます。
そんなサーフィンですが、東京五輪の種目として正式に採用されていることをご存知ですか?
「サーフィンって、どうやって競うの?」「どんな技があるの?」など、競技としてのサーフィンをよく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、サーフィンの歴史から競技の概要について解説していきます!
サーフィン競技について
サーフィンは、整地された会場で行われるのではなく自然の海で行われますので、天候に左右されやすい競技であるといえます。風向きや風の強さによって波の高さや状態が変わるため、同じ波は二度と現れません。選手は波の状況を見極めながら波に乗る必要があるのです。
採点方法は、5人の審査員が波にうまく乗れたかどうかを基準として、技の難易度や革新性、スピードやパワー、演技の流れを総合的に判断して採点します。
サーフィンの起源とは?
サーフィンは古代ポリネシア人が最初に始めたといわれ、ハワイやタヒチが発祥の地とされています。古代ポリネシア人は海の民と呼ばれており、マゼランやコロンブスが活躍した大航海時代よりもはるか昔から、カヌーを使って遠くへ漁に出かけるなどの航海技術に長けていたといわれています。
漁の技術として培われた波乗りの技術は、いつしか娯楽としても利用されるようになりました。漁のために使用したカヌーを徐々に小さく板状に変形させたものが、現在のサーフボードの原点だといわれているのです。
世界に広まったきっかけは、サーファーでもあり水泳選手でもあった「近代サーフィンの父」と呼ばれるデューク・カハナモクの活躍によるものです。
1912年のストックホルム大会と1920年のアントワープ大会において、アメリカ代表として水泳競技に出場したデュークは金メダルを獲得します。メダル獲得をきっかけに各国から招かれるようになったデュークは、サーフィンを世界に広めたいという思いから行く先々の国でサーフィンの腕前を披露しました。デュークのサーフィン技術に感銘を受けた人々が続々とサーフィンを始めたことで、世界中に認知されるようになったといわれています。
五輪におけるサーフィン競技
予選ラウンドは4〜5人の選手が競い合い、勝ち抜いた選手が本戦へと進みます。本戦ラウンドは2人の選手で競い、勝敗を決定していきます。
1試合は通常30分程度で、時間内であれば25本までライディングが可能です。採点は、点数の高い2本の合計点によって決まります。
技によって点数が決まっているわけではなく、1回のライディングにおける技術の要素を総合的に判断して得点が加算される方式です。
サーフィンの技の中で最高の技といわれているのは、チューブ状の波の中に入る技です。
サーフボードの長さによって競技内容が異なる
東京五輪では、1970年に登場した長さ6フィート(約183センチメートル)のショートボードで競技を行いますが、ショートボードの登場まで親しまれてきたのは長さ9フィート(約274センチメートル)以上のロングボードです。
競技内容も異なり、ロングボードは波に乗りながらボード上を歩くテクニックを重視しますが、ショートボードは機動性が高く細かいターンやダイナミックな技を重視して競技を行います。
サーフィンの歴史・競技ルールの解説まとめ
サーフィンは波を読んで技を出す必要があることから、競技中の判断力が必要不可欠です。東京五輪当日の波の状態にあわせて選手がどのような技を魅せるのか、自然と一体化したアスリートの美しい姿も、サーフィン競技の見どころと言えるでしょう!