たった2秒の美の競演!飛込競技の起源やルール・採点方式について解説

飛込競技のルールや採点方式の解説 そのほかのスポーツ
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みなさんは飛込競技を観戦したことがありますか?

五輪競技として採用されている競技ですが、普段はあまり観る機会がないため、何を採点しているのかわからないという人も多いと思います。飛び込み台からプールに着水するまでの一瞬のあいだに、何がどう判断されているのか?

今回は、飛込競技のルールや採点方式などに迫ってみたいと思います!

飛込競技とは?

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飛込競技は、回転やひねりを加えながらプール横に設置された飛込台から水中に飛び込む競技です。演技開始から終了までがもっとも早い競技であり、競技時間はおよそ2秒。

踏切から入水までの2秒間でどれだけ難易度の高い技を繰り出せるのか、いかに美しい入水ができているのかを採点します。

飛込競技の起源

飛込競技は、船の乗組員が船上から海に飛び込んで競い合ったことがはじまりとされています。

競技としての起源は1886年にドイツで行われた水泳選手権だといわれています。五輪競技として初めて採用されたのは1904年のセントスイス五輪。当初は10mの高さから飛び込む「高飛込」競技のみでしたが、次に開催したロンドン五輪では飛板飛込も競技として正式採用されています。

飛込競技には2種目ある

飛込競技の種類

飛込競技は「飛板飛込」「高飛込」の2種目からなる競技です。飛び込む高さの違いだけでなく、使用する飛板の材質が異なります。

それぞれの種目の特徴を見ていきましょう。

①「飛板飛込」

「飛板飛込」は、反発力があるジェラルミン製の飛板を使用して、一度高く飛び上がってから入水する競技です。

選手たちは飛び込む前に軽く助走をつけ、飛板上でおよそ3回跳躍してから入水します。回転数を多くするためには高く飛び上がらなければなりませんので、助走と跳躍のタイミングを合わせることはとても重要です。

高さは1mもしくは3mですが、五輪種目には3mが採用されており、入水までの短い距離の中で最大4回転半の技が飛び出すことも。

②「高飛込」

「高飛込」は、コンクリートの飛板から入水する競技です。

反発力がない飛板を使用し、10mの高さから回転やひねりを加えながら入水します。10mは3〜4階建てのビルに相当する高さで、入水時の時速はおよそ50km。入水時の衝撃は120kgかかるといわれています。

普通の人なら思わず足がすくんでしまう高さですが、物怖じすることなく高スピードで飛び込む姿は圧巻です。

飛込競技の採点方法

飛込競技では、男子は6回、女子は5回演技を行い合計点数を競います。

7人の審査員がそれぞれ採点し、0.5ポイント刻みの10点満点で評価を行います。審査員が出した点数のうち、上位得点2つと下位得点2つを除いた点数の合計に、技の難易度を掛け合わせることで得点を出します。

飛込競技を採点するときに注目する点は、大きく分けて2つあります。まずは、踏み切ってから入水するまでの回転数とフォームの美しさ、技の難易度です。回転数が多いほど高得点につながりますが、足が揃っていなかったり身体が曲がっていたりすると減点対象となってしまいます。

次に入水時の水しぶきの少なさです。水しぶきを抑えるには、美しい入水姿勢が必要となります。回転やひねりを加えながら最後の入水まで美しく終えた選手には、観客からの大きな歓声が送られます。

飛込競技の見どころは「水しぶき」

飛込競技の採点項目は水しぶき

飛込競技を観戦したことがない人でも、競技開始からすぐに「水しぶき」だけで得点が予測できるようになります。どんなに高い場所から飛び込んでも、トップクラスの選手はほとんど水しぶきが上がらないのです。

水しぶきが少ない入水のことを「ノースプラッシュ」と呼びますが、さらに高得点を得られる入水が「リップクリーンエントリー」です。水しぶきが少しでも上がるとザブンと音がしますが、「リップクリーンエントリー」は入水時の音がまるで唇をポコポコと弾くような音がするだけ。水中に静かに吸い込まれていく選手の姿に、思わず歓声を上げてしまうでしょう。

水しぶきが上がらない入水の仕方とは

水しぶきが上がらないようにするには、2秒間の短い演技時間で瞬時の判断が必要です。

まずは、踏み切って回転やひねりを終えた瞬間に水面を目視し、身体の位置を把握します。続いて両手に水があたる瞬間、手の感覚から身体の傾きを調整します。着水の瞬間は一瞬で水をかき分けて溝をつくり、自分の体を入れ込むことで水しぶきをより抑えることができるのです。

この判断ができるのは世界でもトップクラスの選手だけで、積み重ねた練習の賜物といえるでしょう。

飛込競技のルールや採点方式まとめ

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飛込競技は、たった2秒の演技時間の中で回転数や技の美しさを競います。水しぶきを上げずに水中に吸い込まれていく見事な技に心を奪われることでしょう。詳しいルールを知らなくても楽しめる競技ですので、ぜひ観戦してみてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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