テコンドー(Taekwondo)は子どもの習い事としても人気がある、多彩な足技を繰り広げる格闘技です。「足技最強の格闘技」と称され、東京五輪の正式種目にもなっている競技ですが、どんな競技なのかよく分からないという人もいるのではないでしょうか!?
そこでこの記事では、テコンドーの基礎知識をまとめてご紹介します!
テコンドーの起源
テコンドーは韓国で誕生した近代武道です。朝鮮半島では、およそ2000年前からさまざまな武術を生み出してきましたが、「人間の持ち得る力を最大限に利用する方法」というテーマをもとに1955年に誕生したのがテコンドーでした。
故チェ・ホンヒ総裁が打撃格闘技の理論を研究し、朝鮮の古武道である「テッキョン」と、日本の「空手」を融合させて改良し誕生したものだといわれています。
現在では、韓国の国技として多くの選手が技を磨いています。
空手とよく似ているように思えますが、攻撃の型が異なります。空手は拳による攻撃を中心に足技も繰り出しますが、テコンドーは足技が中心となります。
テコンドーの代表的な技
テコンドーは、技の総数が約3200通りも存在します。ここでは、テコンドーでよく使われる代表的な技を紹介します。
前蹴り
テコンドーでは「アプチャギ」と呼ばれる、一番基本的でよく使われる技です。
前方にいる相手に対し、半身の状態で構えながら軸足に体重を移動させて蹴り上げます。空手では蹴り上げた際に足の裏で相手を押して攻撃をしますが、テコンドーでは足の甲で相手をはたくように技を出します。
前回し蹴り
テコンドーでは「トルリョチャギ」と呼ばれる、こちらもテコンドーの基本技です。
前蹴りと同じ体勢を取ったあと、軸足を回転させてサイドから遠心力をつけて蹴ります。テコンドーの蹴り技として、もっとも多くの人に認知されている技だといえます。
後ろ回し蹴り
テコンドーでは「ティッチャギ」と呼ばれる、相手の真横から振り向く遠心力を利用して回し蹴りをする技です。
テコンドーでは蹴りの動作が早く、カウンター攻撃としてよく使用されるのが後ろ回し蹴りです。相手との間合いが空いている際にも素早く距離を詰めながら攻撃ができることから、カウンターとして最も最適な技であるといえます。
かかと落とし
テコンドーでは「ネリチャギ」と呼ばれる、テコンドーの技の中でも派手な部類に入る技です。
高く足を振り上げ、相手の脳天や胸元に勢いよくかかとを落とします。間合いが遠い相手に畳み掛けるように攻撃をするときに使用します。
テコンドーの多彩な足技がわかる動画
ここでテコンドーの足技の多彩さ、美しさがわかる動画をご紹介します。
この2つ目の『Taekwondo Master Girl』と題された動画はSara Damnjanovic(サラ・ダムジャノビッチ)というセルビア人のテコンドー選手兼モデルの方。激しい練習の末に手に入れた、人体の限界を極めたかのような柔軟性と力強さに思わず見惚れてしまいますね!まるでトゥームレイダーのララ・クロフトのよう。いやそれ以上。(インスタグラムは@saratkd7)
テコンドーの帯色と意味
空手と同様、テコンドーにも階級と帯色が存在します。
ここではそれぞれの階級の帯色と、色に込められた意味を紹介します。空手の帯色にも意味が込められていますが、テコンドーの帯色の意味にはストーリー性があるんです。
白帯
10級は白帯、9級は白帯に黄色の線が入った帯を着用します。テコンドーの知識や技術がなく、基礎固めの時期であることを表します。まだ何にも染まらない状態で、無限の可能性を秘めていることも表しています。
黄帯
8級は黄帯、7級は黄帯に緑色の線が入った帯を着用します。大地の象徴とされる黄色は、テコンドーの基礎が固まって一層精進を重ねていくことを表します。大地を表す黄色から、植物を表す緑色の帯へと階級が続いていくのです。
緑帯
6級は緑帯、5級は緑帯に青色の線が入った帯を着用します。木々を表す緑色は、大きく枝葉を広げて成長していく様子を表しており、難易度の高い技に挑戦していく段階にいることを表しています。
青帯
4級は青帯、3級は青帯に赤色の線が入った帯を着用します。大きく成長した樹木が青空に向かって伸び、より高みを目指していくことを表しています。限りなく広がる青空のように、自分自身に満足することなく限りなく成長していくことを表しています。
赤帯
2級は赤帯、1級は赤帯に黒色の線が入った帯を着用します。大空に伸びた木々に大きな赤い実がつき、実り多い時期に突入したことを表しています。高い技術を持っていますが、慢心することなく精神面を強化することが必要となります。赤色は警告の意味も持っているのです。
黒帯
段位獲得レベルになると、黒帯に突入します。闇や恐怖に動じることなく、暗闇でも己の力を存分に発揮できることを表しています。黒色は、一滴混じるだけでどんな色も黒色に変えてしまうほどの影響力を有しています。自分の行動が、周囲に大きな影響を与えることも意味しているのです。
テコンドーの解説まとめ
テコンドーは近代武道として誕生し、華麗でダイナミックな足技を繰り出す人気競技です。帯の色に込められた思いから分かるように、自己研鑽を目的とした武道として日本でも広がっているのです。
東京五輪では、素早い蹴り技の応酬に注目してみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!