錦織圭選手が世界ランキング10位の壁を突破して久しい今日この頃。
そんな活躍する姿を見て、テニスを始めてみようかと思われる方もいるのではないだろうか。
このスポーツを始める際に、後にも先にも必要となってくるものが、ラケットである。
インターネットで検索しても、スポーツショップに行ってみてもわかるのだが、ピンからキリまでかなり価格に幅がある。リーズナブルなものでは数千円代からあるのに対し、高額になると自転車の一台は軽く買えてしまうような金額のものまで存在する。
一見同じように見えるテニスラケットだが、その価格の差はどこから来るのだろうか。
今回はその謎に迫ってみた。
素材や構造の違いが値段を左右する
例えば、5000円以下のラケットと2万円以上のラケットを比較した場合、価格の差の中で一番のウエイトを占めているのが、その素材だ。
ホームセンターなどで売っている安価なラケットの多くは金属製で、アルミ等を使用しているため持ったときにどうしても重さを感じてしまう。そして少しでも軽くする為に内部が中空となっているため、ボールを打った際の衝撃がダイレクトに伝わり、長時間のプレイには向かないのだ。
しかし製造が容易なため、安い値段で提供されている。
一方2万円以上するラケットは、カーボンなど最先端の素材を使用していることが多く、開発費や素材の原価が高くなりがちで、販売ロット数も安物より少ないため、必然的に高額になる。
海外人気メーカーのラケットは高くなる
国内で販売されているテニスラケットは、平均して日本製に比べ海外製のものの方が高くなる。その理由は単にブランドであるということに加え、輸入にかかる費用や国内で販売する際に必要な保障などの諸費用が発生するためだ。
国内正規品と並行輸入品では、半値近い差がついていることも珍しくはないが、不良品だった場合にまったくのサポートが望めない、メンテナンスができないなど自己責任となることが多く、それ相応のリスクがあることも否めない。そのため、国内で輸入品を正規店で購入する際は、保障費用や手数料などが本来の価格に上乗せさせているのである。
ガット(ストリングス)とフレームの関係性
テニスラケットはフレームだけではプレイはできない。フレームに張り巡らされている格子状のガットこそ、実は大きく価格を変える要因になる。
テニスラケットの取扱店では、安価なラケットには既にガットが張ってあるものがほどんどで、これを張り上げ品という。中国製の安いガットが一定のテンションで張られているため、傷みやすく、数ヶ月プレイしていくうちに使い物にならなくなることが多い。
テニスに打ち込んでいくにつれ、ガットへのこだわりが増し、張替えを考えることもあるだろう。その際に驚くのが価格で、張り替え費用を含めると安いラケットがもう1本買えてしまうほどだ。
高いラケットが無条件に良いラケットではない
高価なラケットが、素材や開発に多大な費用や時間をかけられていることは事実だが、だからといって無条件に高価なラケットが良いというわけではない。
個々の身体やフォーム、打球のクセなどに合うラケットを選ぶことが一番大事であり、安価なラケットでも、使い方一つで何年も使い続けられる。
自分だけの相棒を見つけ、プレーを目一杯楽しもう。