身体能力×頭脳の競技!スポーツクライミングの概要・ルール・見どころ解説

スポーツクライミング解説 そのほかのスポーツ
そのほかのスポーツ

東京五輪で新競技に追加されたスポーツクライミング。近年はボルダリング施設が増えて認知度が上がっていますが、競技内容や順位の決め方などを知らない方は多いのではないでしょうか。

この記事では「スポーツクライミングってどんなスポーツ?」「スポーツクライミングのルールとは?」など基本的な知識を、ちょっとした小話を挟みながら解説していきます。

スポーツクライミングとは?

スポーツクライミングは、垂直にそびえ立つ壁を登っていく競技です。命綱となるロープ以外は道具を持たず、自分の体のみを使用して壁を登っていきます。

壁に埋められている色とりどりのホールドを掴みながら登っていきますが、どのルートで進むのかをあらかじめ決め、そして状況に応じて適切な判断も求められます。このことから、身体能力やテクニックだけでなく、イメージ力や決断力等のインテリジェンスも求められる「肉体+頭脳」という特徴を持ったスポーツと言えます。

スポーツクライミングの始まりとは

スポーツクライミングの起源

1980年頃から、ヨーロッパにおいて自然の岩場を使用したロッククライミングの競技会が行われるようになり、これがスポーツクライミングの始まりだといわれています。

しかし、この競技会では問題が3つありました。

1つ目は自然の岩場を使用すると競技開催場所が限られてしまうこと、2つ目は雨や強風などの気候条件によっては大会の開催ができなくなってしまうこと、3つ目は観客席の設置が難しいことです。

この問題に直面したことで人工壁が作られるようになり、クライマー人口が増えたことで競技がより身近なものになったといわれています。

スポーツクライミングの種目は3種類

スポーツクライミングのルール解説

スポーツクライミングは選手が以下の3種目を行い、それぞれの種目順位を掛け算して順位を決定します。

①スピード

高さ15m、前傾95度の世界共通ルートで設定された2つの壁を、2人の選手がタイムを競いながら登ります。

瞬発力が勝敗を左右するのですが、フライングは即失格となってしまいます。

この壁の高さは5階建てのビルの高さと同じくらいなのですが、トップ選手であれば男子は5〜6秒、女子は7〜8秒で完登してしまいます。

②ボルダリング

高さ4mほどの壁に、高難度に設定されたコースを制限時間4分以内にいくつ登れるのかを競います。最上部にあるホールドを両手で掴んだ時点でクリアとなります。

この種目は途中で落ちてしまっても何度でも挑戦できますが、指先しかかからない小さなホールドから両手でも掴みきれない大きなホールドが設定されているので、自分の能力を考慮しながら登らなければなりません。

③リード

制限時間6分以内に、15m以上の壁をどこまで登ることができるのかを競います。

クイックドローと呼ばれるロープを引っ掛ける器具にロープを掛けながら登っていき、最上部のクイックドローにロープを掛ければ完登となります。

途中で落ちてしまうと終了となり、最終地点が記録となります。完登した選手が複数いる場合や、同じ地点で落下した場合はタイムが良い選手が上位となります。長い距離を登り続ける持久力と、無駄な動きを無くすために自分の体をコントロールする戦略性が問われる競技です。

スポーツクライミングの特殊なルールとは?

ボルダリングとリードでは事前にコースを知ることはできず、競技開始直前に与えられる2分間の「オブザベーション(観察)」の際に初めてコースを目にします。このオブザベーションの時間に、たとえライバルであっても選手同士で登り方の意見を出し合いながら相談する光景が見られます。

他の競技では見られない珍しい光景ですね。

オブザベーション終了後に競技が始まりますが、他の選手のクライミングを見るとコースが分かってしまうことから、観戦が一切できない「オンサイト方式」を採用しています。

また、ボルダリングは直前でコースを読み解きながら登る競技ですので、一度登った壁は二度と使えない決まりとなっています。そのため、競技で使用する壁は大会直前に作られ、大会終了後はすぐに壊してしまうのです。なんだかもったいないですよね。

まとめ

スポーツクライミングは壁を登る身体能力はもちろん、コースを読み解きながら進んでいくための想像力や判断力も求められます。

日本人選手の活躍も期待されていますので、興味を持った方はぜひ観戦してみてください。また、実際にボルダリングジムで挑戦してみると難易度が実感できて観戦がさらに面白くなるかもしれません。「前からやってみたかったんだ!」という読者様は、この機に一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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