イギリスのロンドン南西部ウィンブルドンで、毎年6月から7月にかけて開催される「ウィンブルドン選手権(全英オープン)」。その歴史は古く、1877年に第一回大会が行われました。これはテニスの4大大会である、全豪、全仏、全米、全英オープンのなかでも1番初めでした。それゆえに、ウィンブルドンはテニスの大会の中で最も伝統と格式のある大会だと言われています。
そんなウィンブルドンですが、テレビ中継などで見てみるとお気づきの方もいらっしゃると思うのですが、選手の方がみんな白いウェアーを着ていませんか?
意識して見てみると、どの選手のも白いウェアーをウィンブルドンでは着用していると思います。
実は、ウィンブルドンでは、白いウェアーとシューズはルールで定められた格好なのです。
しかしなぜ、ウィンブルドンでは白いウェアーを着用しなければならなくなったのでしょうか?今回はこのウィンブルドンの「白い掟」についてのスポネタです!!
きっかけはある女性選手から
このウィンブルドンでの「白い掟」が始まるようになったのは、今から100年以上前の1884年ウィンブルドン選手権でのことです。同年から女子シングルスが種目に初めて加わり、その時の初代優勝者であったモード・ワトソン選手と、準優勝者のリリアン・ワトソン選手が、帽子からドレスまで白で統一したことがきっかけとなり、ウィンブルドン選手権では「ウェアーとシューズは白を基調としたものを着用」というルールが生まれました。
これは、テニス四大大会の中でも唯一のウィンブルドンならではの独特のルールです。
かつては華やかにドレスアップしていた
ちなみに、この両ワトソン選手が優勝、準優勝した1884年当時はまだまだテニスをプレイする際に、しっかりドレスをきこなしているようなスタイルがまだ主流でした。色も非常にバラエティに富んだものが多く、当時はくすんだ暗いピンク色のようなオールドローズが流行色でした。色味を見ていただくと分かるのですが、非常に濃い色です。
この色が流行っていた時代に、全身白で統一したスタイルでテニスコートに立ったのですから、当時としては非常に鮮烈な印象を与えたことでしょう。
反面ボールは黄色に
しかしこの白統一ルールですが、ただの1つだけ問題がありました。
当時のウィンブルドンでの大会で使用されていたボールの色は白だったのです。
白いウェアーとシューズで統一してしまうと、同じ色をした白いボールが見えにくくなってしまいます。
そこでこのルールを採用したことから、テニスボールの色が黄色くなったのではないか?と言われる説もあるのです。
現在では練習でも白い掟が!?
このウィンブルドンの「白の掟」ですが、これは試合中に限ったことではありません。現在ではウィンブルドンのコート上で練習する際でも、「白の掟」は守らなければならないのです。
つまり、試合中以外にも原則的にシチュエーションとしてウィンブルドンのコートに立つ際には白いウェアーとシューズにしなければならないと言うルールだということです。
これはテニスの歴史の中でも最も古く歴史の権威のあるウィンブルドンならではの価値観と世界観を持ったルールであると言うことがこのことからよくわかりますね。
白いウェアーでウィンブルドン気分に
ウィンブルドンでの選手が、みんな白いウェアーで出場していたワケは、ウィンブルドンが持つ歴史の経緯からだということがわかりました。
もし皆様がテニスをされる機会があるとしたら、思い切って全身白のウェアーとシューズはいかがでしょうか?
歴史と伝統をいっぱいに感じたウィンブルドンスタイルでいつもより快調なプレーが出来るかもしれませんね!!